作成日:
2025/12/11
更新日:
2025/12/16
共通テスト同日模試とは?メリットと受け方
大学入学共通テストが近づく時期になると、塾としても高1・高2生の受験意識や早期の基礎固めをどう促すかが重要になってきます。
その中で特に教育効果が高く、生徒・保護者へのアナウンス素材としてもとても有効なのが「共通テスト同日模試(同日体験受験)」です。
共通テスト同日模試とは、本番とほぼ同じ日に、同じ問題を高1・高2生が解くことができる全国的な模試イベントのことです。
高1・高2の段階で本番と同じ問題を解くことで、
今の実力との差を早い段階から明確にできる
生徒の学習意欲を大きく刺激できる
指導計画や面談に具体性が出る
キャッチャーで目的が明確であるため、保護者からの支持も得やすい
と、塾経営のさまざまな場面で活用できるイベントになります。
この記事では、2026年に向けて同日模試を提供している大手予備校の情報を整理しつつ、「近くに会場がない塾がどう活用できるか」という実務的な視点も含めてお伝えします。
2026年の同日模試はどこがいい?比較まとめ
生徒へ案内する際の比較資料としても使えます
① 東進の「共通テスト体験受験」特徴・時間割・申込み
公式HP: https://www.toshin.com/kyotsutest_taiken/
問題:本番と同一
日程:2026/1/18(日)、19(月)
対象:新高2・新高3生/意欲のある中学生
料金:無料
会場:東進各校舎
申込期間:受付開始前(2025/12/9時点)
時間割:公式HPにて随時更新
特徴
会場受験のため、本番に近い緊張感を体験させたい生徒に最も適しています。
校舎数が多く、近隣で実施されているケースが多いため案内しやすいのも特徴です。
同日模試として最も一般的で参加者も多いため、外部生でも参加しやすい雰囲気ですが、塾から紹介することにも十分な価値があります。
受験前説明会・解説授業・対策講座・成績レポートなど、前後のフォローが非常に充実しています。
一方で、イベント全体に東進の宣伝要素が強めに含まれるため、塾で案内する際はその点を把握しておく必要があります。
② 河合塾「大学入学共通テストチャレンジ」特徴・時間割・申込み
公式HP: https://www.kawai-juku.ac.jp/exam-info/spc/challenge/
問題:本番と同一
日程:2026/1/18(日)〜 1/20(火)※Web受験は1/25(日)18:00まで可能。
対象:高1・高2生/中高一貫校中3生
料金:無料
形式:オンライン(自宅受験)
申込期間:2025年11月12日(水)12:00~2026年1月14日(水)23:59
時間割:国語・英語・社会:2026年1月18日(日)12:00から受験可能
数学・理科・情報:2026年1月19日(月)12:00から受験可能
特徴
受験時間の自由度が高いため、部活生・兼塾生にも案内しやすい形式です。
自宅受験のため塾のスケジュールと干渉しにくく、運営上の負担は少なめです。ただしその分、本番特有の緊張感を味わわせるのは難しい点は認識しておきましょう。
希望があれば、塾に集めて受験させる「擬似会場方式」にすることも可能です。
東進のように会場へ足を運ぶ必要がなく、営業色も比較的薄いため、営業リスクが低く塾で案内しやすい点は大きなメリットです。
問題・マークシートはすべてWeb上に表示され、web上で回答をおこないます。
受験生が本番後に使用する「バンザイシステム」で志望校判定を確認でき、現状の実力でどの大学が視野に入るかを生徒・保護者と共有しやすいのも魅力です。
③代々木ゼミナール「高1・2 共通テストチャレンジ」特徴・時間割・申込み
公式: https://www.yozemi.ac.jp/ad/2026kyotsutest_challenge/
問題:本番と同一
日程:2026/1/18(日)11:00〜 1/25(日)23:59
対象:高1・高2生(中3生も可)
料金:無料
形式:オンライン(自宅受験)
申込期間:2025年10月10日(金)10:00~2026年1月14日(水)23:59
推奨時間割:
1/18(日)
11:00~12:30 国語 90分
12:30~13:30 お昼休み
13:30~14:50 英語(リーディング) 80分
15:20~15:50 英語(リスニング) 30分
16:20~17:20 社会 60分(2科目)
※数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C、理科基礎、情報Ⅰは1/19(月)12:00から実施可能
特徴
こちらも自宅受験のため、生徒のスケジュールの都合がつけやすく、営業リスクも少ないです。
先述の河合塾と比べて受験可能期間が少しだけ長いため、1週間ずらして翌週の土日に本番のスケジュール通りに実施することも可能です。
系列の代ゼミサテライン予備校から申し込むと、会場で受験することもできます。実施校舎は随時更新されているため、希望する場合は申し込み期限までにチェックしておきましょう。
理科は「理科基礎」のみ、地歴は「総合」のみに対応しているため、「理科」や「探求」を受験したい場合は注意しましょう。
④ 臨海セレクト「高校1・2年生のための共通テスト同日模試」特徴・時間割・申込み
公式: https://www.rinkaiselect.com/event/kyotsutest_dojitsu_moshi.html
問題:オリジナル問題
日程:2026/1/17(土)
対象:高1・高2生
料金:4,950円(税込)
会場:個別指導臨海セレクト各校
申込期間:受付中(2025/12/9時点)
時間割:2026/1/17(土) 13:30~3科目を選んで受験
特徴
共通テスト本番問題ではないため、最新の本試験問題を「直前まで取っておきたい生徒」に向いています。
校舎展開が関東中心のため、地域によっては案内が難しいことがあります。
東進・河合塾と異なり、1日目の午後から受験できます。
最大3科目のみの受験のため、全科目を通して解く“本番の体力勝負”を体験したい生徒にはやや不向きです。
塾で「同日模試風イベント」を実施することも
地方校舎や小規模塾では、
「近くに実施している会場がない」「会場まで生徒を送り出しにくい」「でもオンライン受験では気合いが入らない」
というケースも多くあります。
また、同日模試は各予備校の乗り換えのための宣伝の意味も込められています。そこで、単に紹介するだけではなく、塾でイニシアティブをとって実施することも重要です。
そうした場合、塾側が簡易的にイベント化することも可能です。
方法:当日夜に公開される本番問題で“同日風”模試を実施
共通テストは、例年試験実施日の夜には大学入試センターの公式サイト・大手予備校サイトなどで問題と解答が公開されるため、既存の生徒を対象に翌日以降に「同日風」模試をおこなうことが可能です。
印刷して塾で実施
時間割を本番同様に再現
リスニングも再生環境を整える
これだけで、生徒にとっては十分に本番を意識した体験になります。
同日模試を最大限に活かすための科目別の点数目安・指導ポイント
科目別の点数目安
一般に、高2の同日模試では、「本番で取りたい点数の8割を目指す」のがひとつの目安と言われますが、科目によって異なります。以下で、科目別の点数目安を詳しく解説します。科目ごとに、本番で取りたい点数比を併記しています。
■ 国語(目安:6.5〜7.5割)
国語は年度差が大きく、特に文章量・題材によって点数が上下しやすい科目です。3分野それぞれで“伸ばしやすい領域”が異なる点を押さえておくと指導しやすくなります。
特に古漢文は高3で一気に得点源にすることもできるので、高2時点での目安は比較的低めでも問題はないでしょう。
● 現代文
問題の癖に左右されやすく、年度差の影響を最も受ける
語彙力・論理的な読みの型が得点安定の鍵
● 古文
単語・文法の習得がそのまま点数に直結する
比較的短期間で改善しやすい分野
● 漢文
句形の暗記で安定しやすく、努力が成績に反映されやすい
早期に得点源にしやすい科目
■ 数学(IA・IIBC)(目安:7〜8割)
思考力重視の共通テスト形式になり、問題構造との相性による得点差が出やすい科目です。計算力と処理スピードが安定の鍵になります。
古漢文や理社科目と異なり、積み上げがものをいう科目なので、高2の時点でも本番の目標の7〜8割を目指したいところです。とはいえ、独特な形式で慣れも必要なので、解いたところが正答できているかを確認していくことが大事です。
● 数学IA
リード文は長いが、データの分析は得点源にしやすいので知識を入れておきたい
一部で発想が必要な問題もあり、時間配分をミスると大幅な失点につながる
● 数学IIBC
微積・数列・ベクトルなど、固定出題の分野を強化することが有効
計算ミスが連鎖しやすく、ミス対策が重要
■ 英語(リーディング・リスニング)(目安:7.5〜8割)
英語は比較的伸ばしやすい一方、数学と同様、積み上げがものをいう科目なので、高2の時点でも本番の目標の7.5〜8割を目指したいところです。未習分野は無いはずなので、一番挑戦できる科目でもあるでしょう。
とはいえ、特にリーディングでは、時間制約が厳しく速読力が求められ、慣れが必要な試験でもあります。高2の時点で解き切れないのはしょうがないので、解いたところが正答できているかを確認することが大事です。
● リーディング
まずは時間をかけてでも1文1文を確実に読めるようにし、それを論理的に素早く読めるようになると得点が安定
1文1文を確実に読むためにも、語彙力や文法力はある程度必要
● リスニング
内容は難しくないので、英語の音を聞き取れるかで安定度が決まる
集中力勝負でもあるので、できれば本番に似たスケジュールで実施したい
■ 社会(日本史・世界史・地理・公民)(目安:6〜7割)
社会は短期間で得点が伸びやすい科目で、高2の時点では未習分野も多いため、同日模試の段階では点数が低くても問題ないケースが多いです。
このような背景を踏まえ、面談では生徒の選択科目に合わせた声かけが大切です。
● 日本史
通史理解が浅い段階では点数が安定しにくい
年号暗記よりも「因果関係の理解」が早期安定の鍵
● 世界史
範囲が広い分、未習領域が多く同日では点数が出にくい
地域横断の流れがつながると一気に点数が伸びる
● 地理
資料読解の慣れが必要で、初期段階は点数がブレやすい
思考問題が多いため、演習で「型」を学べば伸びやすい
● 公民(倫理・政治経済)
暗記中心で短期間でも成果が出やすい
難易度は年度差が小さく、安定しやすい科目
高3になり、地歴が間に合わない場合は公民への変更も視野に
■ 理科(物理・化学・生物・地学)(目安:6〜7割)
理科は、社会と同じく高2時点の未習領域が多い科目で、同日模試では点数が伸びないのが普通です(理科基礎は除く)。進捗状況によっては、目安をさらに下げても良いと思います。
すでに学んだ分野はしっかり挑戦しつつ、何が未習かを把握して、あと1年でこれだけ学ばないといけないんだということを知る目的で受けるのが良い科目です。
● 物理
未習単元が点数に直結しやすく、同日では低得点になりがち
公式の意味理解が深まると点数が安定する
● 化学
理論化学の理解が浅い時期は、点数が安定しにくい
無機・有機の暗記で短期的に伸びを感じやすい(が、高2時点では未習の場合がほとんど)
● 生物
知識問題の比率が高いため、未習範囲が多い段階では点を取りづらい
語句理解と仕組みのつながりが分かると点数が安定する
■ 情報Ⅰ(目安:6〜7割)
情報は新設科目で形式が固まりきっていないため年度差が大きいです。また、特に2026年度の共通テストでは難化が予想されている科目です。
高3で一気に固められる科目でもありますが、データ分析やアルゴリズムの問題については、数学Ⅰの知識や論理力で十分挑戦できるため、同日模試でもしっかりと取り組む価値はあるでしょう。
科目別の点数目安まとめ
科目 | 目安点数 | 理由(指導ポイント) |
国語 | 6.5〜7.5割 | 年度差が最も大きい/古文・漢文は高3でも伸ばしやすい |
数学 | 7〜8割 | 形式への慣れは必要だが、既習範囲も多く頑張りたい/解いたところが正答できているかを確認 |
英語 | 7.5〜8割 | 形式への慣れは必要だが、一番挑戦できる科目/解いたところが正答できているかを確認 |
社会 | 6〜7割 | 未習範囲が多いため、切り分けて分析する/科目の変更も視野に |
理科 | 6〜7割 | 理系は未習範囲も多いため、現時点ではあまり気にしない/理科基礎は既習範囲も多いので頑張りたい |
情報 | 6〜7割 | 新設科目で年度差が大きいが、挑戦できる大問には取り組みたい |
指導ポイント①点数よりも“課題の特定”を重視する
生徒はどうしても点数に意識が向きますが、先生側が「気づきの量が大事」と方向づけしてあげると翌月からの指導がやりやすくなります。
高1,2生であれば、まだ本格的に受験勉強を始めていないことが多く、思ったような点数がとれなくて当然。自信喪失や目標を下げるなどのメンタル面への悪影響を鑑みると、点数に固執させないことが大切です。
間違った問題や時間が足りずに解けなかった問題をしっかり復習させ、次は必ず解けるようにさせましょう。
指導ポイント②本番の“緊張耐性”の練習になることを説明
共通テストは、学力そのもの以上に「本番の空気にどれだけ対応できるか」が得点を左右します。普段の授業や塾内模試では再現が難しいため、同日模試は緊張耐性を鍛える絶好の機会になります。
● 冬の寒さという環境要因
1月の大学入試は、
手がかじかむ
体温が下がり集中力が落ちる
会場が温まりきっていない / 暖房が効きすぎて暑い・乾燥する場合がある
など、勉強には向かない環境での実施となります。
塾ではこの「不快な環境」を再現しづらいため、当日の外気温・湿度に近い環境で解ける同日模試は非常に貴重です。
● 長時間の集中維持の練習
共通テストは1科目ごとの負荷も高く、さらに受験科目数が多い生徒は朝から夜遅くまで試験が組まれ、1日を通してスイッチを切らずに走り切る必要があります。
同日模試では、
昼食後の眠気
2科目目の疲労感
時間配分の乱れ
など、学力ではなくスタミナが原因の失点を洗い出すことができます。
● 不意打ち問題・クセのある問題への対応力
共通テストは、毎年必ず「初見で戸惑う問題」や「資料読み取りのクセの強いパターン」が含まれます。
生徒はこれを前にすると、
焦って読み飛ばす
解ける問題を後回しにしてしまう
思考が止まる
といったメンタル由来の失点を起こしがちです。
同日模試で本番と同じ問題を経験することで、
「驚いても最後まで解き切る力」=「本番で最も必要な精神力」
を育てることができます。
共通テスト対策の総復習には Dr.okke が最適
高1・高2生は、まだ本格的な受験勉強が始まっていないため、習った単元をそのまま忘れてしまうという構造的な課題があります。
その状態で同日模試に挑むと、
全範囲から出題されるため太刀打ちできない
苦手分野が多すぎて整理できない
という状況に陥りやすくなります。
そもそも高1・高2生が全範囲を問われる機会は、模試や実力テストなど年に数回しかありません。
加えて、
出題数が少ないため、1回のうっかりミスで「苦手」と判定されてしまう
出題範囲が偏るため、本来の実力を測れない
苦手判定しても、次の模試まで期間が空き、改善につながりにくい
結果の返却が遅く、学習行動に反映しづらい
という実力アップにつながりづらい課題もあります。
つまり、全範囲を定期的にチェックし、生徒ごとの理解状況を正確に把握する仕組みが必要です。
Dr.okkeなら、総復習も弱点分析も“すぐ・正確に・負担なく”できる
Dr.okke は、こうした高1・高2の課題を解決するのにも最適です。
■先生は「範囲・問題数・難易度」を選ぶだけ
これだけで、生徒一人ひとりに合ったテストを作成できます。
■ 生徒はスマホで受験 → 自動採点 → 自動分析
先生の手間を大幅に省きながら、生徒の「今の実力」や「弱点」をすぐ把握することができます。
■ 手作りの良問+丁寧な解説で実力アップ
Dr.okkeは、重要ポイントを押さえた良問と、生徒が読んで理解できる丁寧な解説
がセットになっているため、演習がそのまま実力アップにつながります。
高1・高2のうちに“総復習”を仕組み化すると、受験学年になって伸びる
共通テストは広範囲の知識を必要とする試験です。
高1・高2の段階から Dr.okke を使って
定期的に総復習
苦手分野の早期発見
知識の抜けを放置しない習慣化
を行うことで、受験学年になってからの伸び方が大きく変わります。
Dr.okkeで、毎週・毎月の小さな総復習を回し、生徒の学習効率をアップさせませんか。
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執筆者
株式会社okkeマーケティング担当。京都大学総合人間学部/人間・環境学研究科卒。
大手家電メーカーにて新規商材・ECサイト運営を担当後、okkeに入社。
好きな動物は猫とニホンザル。




